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日常にある言葉をパワーワードに押し上げる|Sieroが「ニコニコ」のMVを公開
AbemaTV『RAPSTAR 2025』でSELECTIONサイファーまで勝ち残り、確かな存在感を示したラッパー・ Siero 。 そんな彼が12月24日にアルバム『THE GOAT TAPE 4』をリリースし、その中から最もキャッチーな楽曲「ニコニコ」のMusic Videoを公開した。 本作は、日常にある言葉をタイトルに掲げながら、それをリフレインすることで“合言葉”のような力を持たせた曲だ。 そこにあるのは、ただ明るく振る舞うための笑顔ではない。リリックには、不登校だった過去や、まだ道半ばである自身の状況が隠すことなく刻まれている。 一方で、ライブの熱狂や、増えていくリスナーの存在にも触れられており、彼を取り巻く環境が少しずつ好転していることも確かだ。 その変化を独り占めするのではなく、「ほらみんな集まって」と呼びかける姿勢が、自然と笑顔の輪を広げていく。 info Instagram: https://www.instagram.com/sierothegoat X: https://x.com/sierothegoat TikTok:

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他のラッパーにはない独自の美意識と世界観|謎多きラッパー8teesが、「Vision To Draw」のMVを公開
謎多きラッパー 8tees(エイティーズ) 。ダークで痺れるような低音ボイスを武器に、感情の陰影をそのまま落とし込むラップスタイルが印象的な存在だ。 そんな8teesが、12月26日に楽曲「Vision To Draw」のミュージックビデオを公開した。 本作はEP『HIP My HOP Life』収録曲で、連なったハイハットが心拍数を上げるように鳴り続け、焦燥感と衝動をそのまま音像化。 リリックでは、変わり映えのない地元の景色の中で、変わりきれない自分への苛立ちながら、音楽を通じて独自の成功を掴もうとする強い意志が描かれている。 「このLife俺が主人公/好きな事して描いてくVISION」 このラインが象徴するように、MVでは“馬”の手綱をひき、他のラッパーにはない独自の美意識と世界観を強く印象づける。 只者ではない何かを感じ取れるはず。8teesが2026年のシーンをにぎわす。 そんな予感がする… info Instagram: https://www.instagram.com/8tees_hip.my_hop.life/ text by

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孤独になって考える真実の愛|Palmparkが新曲「Real Love feat. Cnya」をリリース
宮崎県出身、現在は東京を拠点に活動する3MC・2Beatmakerからなる5人組HIPHOPクルー・ Palmpark 。 これまでに3枚のEPをリリースし、「仲間」や「家族」といった身近な関係性を何よりも大切にしながら、日常と非日常、ストリートと自然を行き来するリアルなヒップホップを鳴らしてきた。 12月24日には、今後発売されるEPからの先行シングルとなる「Real Love feat. Cnya」がリリースされた。本作では、クルーのメンバーである Cnya をフィーチャーし、内省的かつパーソナルな視点が掘り下げられている。 リリックに描かれるのは、過去の後悔や不安定な現実を抱えながらも、それでも前に進もうとする姿だ。不器用ながらに"真実の愛とは何か"を考え続ける葛藤が、真夜中に多摩川沿いを歩くといった日常的な情景と重なり合う。 本作を強く印象づけているのが、Cnyaの温もりある声だ。空気が冷え込むほどに、誰かを想うフレーズや静かな夜の描写が、そっと孤独を和らげてくれる。 info Instagram: https://www.instag

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HAEINが、揺るがぬアイデンティティを歌った新曲"CHOPSTICK"をリリース|「自分で種をまき刈り取る旅」
HAEIN は、自身のルーツであるレゲエを大切にしながら、ヒップホップにとどまらず新しいサウンドを貪欲に取り入れてきたアーティストだ。ジャンルに寄りかかるのではなく、自分の感覚を信じて音を鳴らしている。 11月25日には新曲「CHOPSTICK」がリリースされた。 ダークなピアノループが印象的な本作は、“本物であること”への強いこだわりと、自分の手で未来をつかみ取ろうとする意志を歌った作品。流行や他人の評価に左右されず、リアルを積み重ねていく覚悟が、リリックの端々からにじみ出ている。 タイトルに掲げられた「japanese chopstick」という言葉は、日本から生まれた自分自身のルーツやスタイルを象徴するものだ。up town / down town を行き来しながらも、どこにいても揺るがないアイデンティティ。その在り方こそが、この曲の核になっている。 低いトーンで落ち着いた声色と、小刻みでタイトなフローは、派手さに頼らずとも確かな説得力を持つ。ぜひ音量を上げて、HAEINが発する語感の心地よさを体感してほしい。 稼ぐばりばりmoney m

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心の奥に沈んだ記憶を呼び起こす|maco maretsが、Newアルバムより「Remembering」のMVを公開
maco marets は、1995年福岡生まれ、現在は東京を拠点に活動するラッパー。2016年に1stアルバム『Orang.Pendek』でCDデビュー以降、コンスタントに作品を発表し続け、12月3日に9作目となるアルバム『Helix'95』をリリースした。 サウンドプロデュースは、過去4作にわたりタッグを組んできた アズマリキ (Small Circle of Friends / STUDIO75)が担当している。 そのアルバムから楽曲「Remembering」のMusic Videoが公開された。本作は、レースのカーテン越しに注ぐ日差しのような、淡く柔らかなピアノループがアブストラクトに響く一曲だ。 リリックでは、もう遠い場所へ旅立ったはずの“あなた”の存在を、ただ静かに見つめ続けている。ここで描かれる“remembering”は、前向きな回想でも、癒しへと向かうための整理でもない。忘れられないこと、思い出してしまうことを否定せず、心に残り続ける未消化の感覚が描かれている。 リスナーの心の奥に沈んでいた記憶を、そっと呼び起こすに違いない。

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幻を見ていたような不思議な感覚|Ivy&Nytureが、「儚い (Feat. JUMADIBA)」のMVを公開
足立区を拠点に活動するラッパー Ivy と Nyture が、JUMADIBAを客演に迎えた楽曲「儚い」のMusic Videoを公開した。 それぞれソロアーティストとして活動する2人が、2025年にアルバム『マケナイ』を発表し、10月18日にはアルバム『マケナイ 裏』をリリース。この2作は、単なる続編ではない。希望や強さの裏側にあった葛藤や孤独、逃げ場のない現実に光を当て、「負けない」という言葉の重みを問い直す作品だ。 「儚い」は、本作のテーマを象徴する一曲として際立っている。 この曲で描かれる“儚さ”は三者三様だ。「負けたまま終わる人生は儚い」というラインが示すのは、人生の虚無感だけではなく、そこから抜け出そうとする強い意志が滲んでいる。 そして楽曲の終盤を担うJUMADIBAは、“儚さ”から連想されるキーワードを次々と転がしながら、意味を固定させることなくリスナーを煙に巻いていく。 突然終わる曲構成は、まるで一瞬の幻を見ていたかのような感覚を残す。掴めそうで掴めない、その「儚い」余韻を体験してほしい。 info Nyture Inst

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コンビニバイトから抜け出すために|Kianna が楽曲「7-11 ft.Asstoro」で鳴らす若者のリアル
2006年生まれ、東京を拠点に活動するラッパー Kianna が、楽曲「7-11 ft. Asstoro」のMusic Videoを公開した。 Kiannaは、エモ〜エモトラップを中心にキュレーションするYouTubeチャンネル・ デーモンAstari から「Spectrum」を公開するなど、国内にとどまらず海外リスナーからも注目を集める存在だ。その音楽性は、ローカルを越え始めている証と言えよう。 この曲は、11月27日にリリースされたアルバム『Kiannacore 3』収録曲。連続するハイハットが鳴り続け、途中から四つ打ちに変わるなど目まぐるしく変化するビートが印象的だ。 リリックで描かれるのは、生活のためにコンビニでアルバイトを続ける日々。その中で積み重なるフラストレーション、無礼な客への怒り、そして「なんで俺やってんの?」という自問自答。だが同時に、隙間時間を見つけてはメロディやリリックを書き続ける姿からは、現状に飲み込まれまいとする強い意志がにじんでいる。 「 Richなってしたい週0に 」という一節が象徴するのは、単なる金銭的成功で

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KID FRESINOが、電気グルーヴをサンプリングした新曲「USD feat. NENE」をリリース
KID FRESINO が、新曲「USD」を12月17日にリリースした。 客演には、2018年にヒットした楽曲「Arcades」以来の共演となる NENE を迎えている。本作では、KID FRESINOがまるで物語を語るように、冷静かつ抑制されたトーンで現在地を描写する一方、NENEは欲望や自信をむき出しにしながら、自らを“ゲームチェンジャー”と高らかに宣言する。 そのコントラストが、この楽曲に張り詰めた緊張感を与えている。 二人の視点が交差した先に置かれるのが、 「You are quite upside down / Sometime you bring me down」 というフックだ。ここで歌われる“upside down”は、価値観や正しさが反転し続ける現代の都市そのものを指しているように聴こえる。 金、名声、人間関係、感情——あらゆるものが不安定に揺れ動く世界の中で、それでも自分のスタンスと感覚を手放さずに生きる。その静かな覚悟が、このフックには込められている。 トラックは、電気グルーヴが2013年に発表した楽曲「Upside Dow

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Benjazzyが、ラッパーとして極端なまでに純度の高いスタンスを貫いた「UNTIL」のMVを公開
Benjazzy は2025年後半、ソロ活動の勢いを一気に加速させている。 AbemaTV『RAPSTAR2025』で審査員を務める一方、11月19日にはソロとしての2ndアルバム『UNTIL』をリリース。さらにこの作品を携えてキャリア初となるワンマンライブをZepp Hanedaで開催するなどシーンの中核を担うラッパーとして、その存在感は増すばかりだ。 そんなBenjazzyがアルバムのタイトル曲「UNTIL」のMusic Videoを12月15日に公開した。Xで「今までで1番言いたい事言えました」と語った通り、本作は単なるアルバムのハイライトではなく、彼自身のラッパーとしての哲学と人生観を真正面から刻み込んだ一曲となっている。 繰り返し語られるのは、“遠回り”という選択だ。近道や効率を選ばず、踏み外した道の延長線をそのまま歩き続けること。ヒップホップを「借り物のカルチャー」と評した上で、忠誠を誓い、身を削りながら向き合いつづける姿を描く。 特に圧巻なのは後半だ。ビートがドラムとパイプオルガンだけに削ぎ落とされ、「毎晩満身創痍でマシーンの様に邁

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可愛いだけじゃ終わらない|pinponpanponが「Tea Party」で描く甘くて不穏なトリップ感
日本発のハイパーポップ/J-POPガールズグループ・ pinponpanpon 。 ドメ夏、キャサリン、東京ちゃんの3人からなるこのユニットは、カラフルでポップカルチャー的なイメージをまといながら、不穏さと毒々しさをあわせ持つ。ヒップホップをはじめ、さまざまな音楽ジャンルの境界線を軽やかに破壊するそのスタンスは、日本国内にとどまらずヨーロッパでのツアーも敢行するなど、着実に評価を高めている。 そんなpinponpanponが、12月14日に新曲「Tea Party」をリリースした。 オーケストラヒットがけたたましく鳴り響く本作は、次々と歌い手がスイッチしていく構成で、聴き手に考える暇を与えないトリップ感が全開な曲だ。 リリックは「ごきげんよう」という挨拶から幕を開け、「ドンキ、銭湯、大谷、日本のセット」といった極めて日本的なモチーフが次々と提示される。一方で、「Time没有 期すラッシュは don’t do」「愛カンスト椅子降臨」といった意味が掴めない造語も多用され、乗りや言葉の響きが重視されている。 描かれているのは、可愛らしく、まったりと

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栃木発17歳のYoung Generationラッパー【Chess】 盤上に置かれた最初の一手
栃木県足利をHOODに持つ、2008年生まれ・17歳のラッパー【Chess】その名は、局面ごとに戦略的判断が求められるボードゲーム“チェス”からインスパイアされたもの。 小学校最後の年にUS HIPHOPと出会い、一気にその世界へ没入。やがて“与えられる側”から“与える側”へと意識がシフトし、自然とマイクを握るようになる。 本格的なキャリアのスタートは2025年。 現在はSoundCloudを主戦場に、「Hood money」「Family」「Own road」「Bet」といった楽曲を発表し、着実に存在感を積み上げている。 中でも2025年12月3日にMVが投下された「Hood money」は、飾らない等身大の視点と、その奥に潜む野心が同居する一曲。背伸びのない言葉で現在地を描きながらも、確実に“先”を見据えていることが伝わってくる。 栃木発、ネクストジェネレーション。 Chessは今、盤上に最初の駒を置いたばかりだ。 是非にチェックワンツーおすすめします! Chess Instagram https://www.instagram.com/im
PAPA- KIMG


審査員DISじゃなく"名曲"で返す|AOTOが新曲「BIGMAN」で見せた先の景色
AbemaTV『RAPSTAR2025』に出演し注目を集めたラッパー AOTO が、12月10日に新曲「BIGMAN」をリリースした。 番組では SELECTION CYPHER を突破し、12名だけが立てる〈フッドステージ〉へと到達。しかし、そこで敗退し、〈RAPSTAR CAMP〉進出は叶わなかった。 一部の出演者が敗退後に審査員をDISする曲を発表する中、AOTO は違った。落選直後の11月2日、楽曲「バイオリン」という“再起の一撃”をリリースしたのだ。 そして続けざまに発表されたのが、この「BIGMAN」だ。タイトルの通り、“でっかく動く”という意志が全編に表れている。大きな HOUSE、大きな CAR、忙しい日々、仲間との絆、恋人との時間。派手にも見えるが、その奥には“俺はもっと大きくなれる”と信じる自信が宿っている。 耳を奪われるのは、喉の鳴りを活かした温かみのある声質だ。親しみやすいフローは、どこか KEIJU を彷彿とさせる。 “Yeah Yeah”“Skrr Skrr”といった掛け声をリズムとして繰り返しながら、この流れで“Bi

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【独自取材】Will Support が新曲"SUPER SUB"をリリース|「日本人ラッパーが、VEVOでやるってなかなかないと思うんです」
日本とコンゴの血を引くラッパー Will Support 。 福岡のクルー・ LeMu のメンバーとしてキャリアをスタートさせ、近年はソロアーティストとしてアメリカのインディペンデント系名門レーベル EMPIRE と契約したことで一気に注目を集めている。 そんなWill Supportが、EMPIREから2作目となるシングル 「SUPER SUB」 を12月10日にリリースした。同時にMusic Videoが、世界最大級の音楽映像ネットワーク Vevo から公開された。 若手がVevoの舞台に立つのは異例なこと。彼がすでに“世界基準のアーティスト”として扱われていることを証明している。 今作のトラックは、自身のルーツとも響きあうアフリカンビートだ。小刻みに跳ねるリズムの上で、フリーキーなフローが展開されている。 「隠れているSUPER SUB/また誰かが噂」 この反復されるラインには、"世間よ、早く俺に気付け!" と言わんばかりのギラついた欲求が宿っている。 今回、Will Supportからコメントを寄せてもらった。これを読めば「SUPE

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曖昧なままで強くなる|ラッパー Kianna が、新曲「Spectrum」のMVを公開
2006年生まれ、東京を拠点に活動する Kianna 。Rage系のエレクトリックサウンドを軸にしながら、オルタナティブな歌心とエモーションを織り交ぜるラッパーだ。 荒々しさと繊細さ、そのどちらにも振り切れる“振れ幅”こそが、彼の魅力と言えるだろう。 次世代を象徴するショーケースとして注目を集める〈 UDG FRESHMAN CYPHER 〉に出演したことからも注目度の高さがうかがえる。 そんなKiannaが、11月27日にアルバム『 Kiannacore 3 』をリリースし、その中から楽曲「Spectrum」のMusic Videoが公開された。 本作は、「白黒つかないこの肌みたいに / グレーでいいじゃん」というラインにあるように曖昧さも弱さも抱えたまま“自分の色”で生きる決意を刻んだセルフリカバリー・アンセムとなっている。 間奏では、割れた音の断片が花火のように散り、楽曲全体に火をつける。この爆発力は、Kiannaというアーティストが持つ“衝動”の実像そのものだろう。 ラップだけでなく、トラックの音色を含めてデザインする、Kiannaの現

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縛られた日々の先へ|ラッパーMel Edenが開く「GATE」の先にあるものとは…
2005年生まれ。長野県出身のラッパー Mel Eden 。 2024年よりコンスタントに作品を発表し、2025年には3rdアルバム『THRILLER LYFE 2』をリリースした。 アルバムでは、Phonkと呼ばれるホラー的/ダークな世界観を打ち出しているが、曲が進むにつれて、聴き心地のいいメロディアスなフローが耳に残る内容であった。 そのアルバムから、「GATE」のMusic Videoが12月1日に公開された。 この曲が描くのは、過去の痛みと縛りから抜け出し、新しい場所へ進もうという誘いだ。リリックには、かつて学区内でイジメられていたという経験に触れ、そこから“学区外へ” “国外へ”と抜け出すイメージが重ねられる。「GATE」とは、ただの比喩ではなく、自分の人生を変えるための“境界線”そのものなのだ。 ホーンアレンジが、その自由さと解放感を象徴する。軽やかで風を切るような音色が、Mel Eden が踏み出そうとする新しい道を照らし、曲全体に広がりと生命力を与えている。 info Instagram: https://www.inst

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