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暗闇から、その日暮らしの売女商売

更新日:3 時間前


僕は、かつて上場企業の正社員だった。


定時に出社して、きちんとスーツを着て、名刺を差し出す側の人間だった。


だが、ある日バイクで事故を起こした。


4ヶ月の入院、ICUに2週間ほど、歩けるかどうかわからないくらい後遺症が残った、それをきっかけに異動が決まった。


いわゆる“調整部署”という名の島流し。リストラ候補が集められる場所だった。


心が折れるまで、そう時間はかからなかった。


その年のうちに、僕は会社を辞めた。


貧乏地域のヒーローたち

地元は工場と田んぼが広がるだけの町。


唯一、目立つのはコンビニ前に停まる不良の高級車。


黒塗りのベンツやセルシオ。乗っているのは地元のヤクザか、顔の知られた半グレたちだ。駐車してる車からはバスの効いたヒップホップ、ラップソングが流れてくる。団地が多いエリアのコンビニはガラが悪い。


しかし彼らは、団地のヒーローだった。


愚かにも僕を含めた小中学生のほとんどが、不良映画を見るように心の奥底で彼らに憧れていた。


彼らが何をして稼いでいるか、なんて知ることもなく、スーツやネクタイじゃなく、団地だらけのエリアで黒塗りの高級車に乗り、絵に描いたような不良が金を持つ姿に、僕ら田舎の団地エリアの少年たちは目を光らせていた。





人手不足

会社を辞めてからは、何もやる気が起きず、ただ時間だけが過ぎていった。


バイクの事故で、ありえないくらいの大量の保険金が入った。泡銭を手にした僕は毎晩のように、田舎から東京都内のクラブに通っては女遊びをしてまわる日々が半年ほど続いた。


そして、すぐに保険金は消えた。


そんな中で暇すぎて始めたのが、地元の小さな繁華街でのキャバクラ送迎のドライバーだった。






ある夜、ドライバーのバイトに行くと、そのエリアを仕切っているという男に声をかけられた。


「キャッチが足りねぇんだ。やらねぇか?」


断る理由はなかった。


というより、なにか変化が欲しかった。


僕は好奇心ながら尋ねた。


「いくら稼げるんですか?」






仕事の内容は繁華街で、風俗やお水の客引き、ポン引きと呼ばれる仕事だった。


男はタバコをくわえたまま、少し笑って言った。

「月100万。先頭に立てりゃな。」


“先頭”とは、駅から繁華街に入る一番手前の路地。

人通りが多く、声をかけるには最も効率がいい。

その分、私服警官が張っている確率も高い場所だった。


「明日から来い。夜の8時。ついたらまず挨拶まわれよ。」

そう言われて、その夜は終わった。


街の闇バイト


翌日、街に出る前に“事務所”に顔を出した。

表向きは運送会社の2階。看板はあるが、チャイムも受付もない。

薄暗い階段を上り、ドアをノックして「失礼します」と声をかけた。


「誰や?」と奥から声がした。


「新人です。今日から街に出ろと…」


言い終わる前に、空気が変わった。

机がバンと鳴り、足音が近づく。

次の瞬間、顔面に拳が飛んできた。

「お前、誰に口きいとんじゃ」


僕は壁に押し付けられ、数発もらった。


礼儀が足りなかった。それだけのことだった。

ここで僕は口の聞き方と礼儀を教わる。街の新人歓迎会は過激だった。


僕が顔を腫らして階段を降りると、外でタバコを吸っていた半グレたちが、全員帽子を取って頭を下げた。


事務所の人(ヤクザ)彼らの前では、誰であれ黙って頭を下げる。それがこの街の“しきたり”だった。軍隊のような縦社会だった。


まるで甲子園の入場行進のように静かで整っていた。


無事、僕の入隊式は終わった。



通行人に声かけて月収100万円

年末年始は、街が一番熱くなる時期だった。


サラリーマンのボーナスが夜の街に流れ込む。


キャッチだけでも月100万は現実的だった。


僕も一度、1日で10万をポケットに入れて帰ったことがある。


深夜の帰り道、ポケットの中に詰まった札束の重みを感じながら、どこか現実味のない気持ちで夜風に当たっていた。


ただし、全ての日が“稼ぎ時”というわけではなかった。

ある日、「今日は私服が回ってるぞ」という情報が流れた。

その瞬間、街から人が消えた。

まるで何かの合図で全員が姿を隠したように。


普段イケイケの半グレも誰も街に立たない夜が、本当にあるのだ。



そしてある夜、事件は起きた。


すぐ隣で声をかけていたグループの先輩が、突然腕を掴まれた。

スーツ姿の男が静かに名乗る。「警察だ」


抵抗もせず、無言で手錠をかけられた。

ふと視線が合った。


その目は、氷のように冷たく、絶望に沈んでいた。

何かを諦め、すべてを飲み込んだような、静かな目だった。パトカーに連れ込まれる先輩、僕は何も言えなかった。ただ見ていることしかできなかった。


その日の朝方、ボスに言われた。


「完全黙秘な。絶対に口を割るな。」


そのルールは、最初から教わっていた。

「黙ってれば20日で出られる。差し入れも迎えも出す。

だから黙れ。それが一番の忠義だ。」


逮捕されることも、稼ぐことも、街に立つことも、すべて“仕事”のうち。


正しさも、善悪も、この世界にはなかった。


ただ黙って、夜に溶けるだけだった。



それからの僕は、黙って街に立ち続けた。


風の冷たい夜も、誰もいない雨の朝も。


警官に目をつけられないよう、視線の角度まで気にしながら、毎日通う通りはの防犯カメラの位置は全て把握した。


ただ、金の匂いのする方角だけを見ていた。


気がつけば、指先には札の感触が染みつき、

笑顔と嘘が、呼吸のように自然になっていた。


ある月、手元に残った金は60万。

次の月は85万。

財布が膨らむほど、街の景色が色あせて見えた。

誰もが同じ顔で笑って、同じように沈んでいく。


「このままここで終わる気か?」


そんな声が、ある夜ふと頭の中で響いた。



稼いだ金を握りしめて、僕は新宿に出た。


街の灯りがまぶしかった。


人も空気も、地元よりずっと速く、騒がしく、そして——何より“自由”だった。


たどり着いたのは、歌舞伎町。

この街にもキャッチはいる。だが、それだけじゃない。「スカウト」と呼ばれる男たちが、さらに上の金を稼いでいた。


所属したグループは20人以上いる大きな組織だった、スカウト通りまでグループのボスに連れていかれ、僕は最初、馴染みのない顔で睨まれ、無視され、睨み返された。


けれど、地元の繁華街で学んだ“空気の読み方”は、ここでも通用した。


参加したグループのボスは、三○悠亜をav業界に連れ込んだカリスマだった。そして、そのグループは新宿スワンの元になったグループと教わる。しかし、当時はスカウト連中は、みんなそれを自慢していたから、実際の所は、本当は誰もわからないのが、本当の事実かと僕は思う。


紹介料の仕組み、連絡の回し方、リスクと報酬のバランス。全てが似ていて、根底にある“流儀”は一緒だった。


そう思えるくらいには、僕はこの街の路上仕事に馴染んできた。


悪事は手を染めて、悪事を止める時に足を洗うという、しかし一度その道に入れば、踏み込んだ足は簡単には洗えない、というより簡単に大金を手にしたら洗いたくなかったのだ、道は深く飲み込まれるように、後戻りはできなかった。


道を外しているのか、乗っているのか全く分からず、友達はいなくなって、同じような人間とつるむようになっていた。


周りが自分と同じ人間だらけになり、悪いことに手を染めるのに、もう何とも思わなくなっていた。


そして僕は自覚が無いうちに、半グレの仲間入りをした。


この時は、この後悲惨なことになるなんて、考えてもなかった。


この歌舞伎町という、また別の道で


また出口を探しては、すでに出口を見失っていた。





続く




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