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ヒップホップと大麻:カルチャーとリアルの交差点

  • 執筆者の写真: MR.X
    MR.X
  • 4月30日
  • 読了時間: 5分

アメリカのヒップホップシーンにおいて、大麻(マリファナ)は「自由」「癒し」「反体制」の象徴として、リリックやライフスタイルの中に深く根付いている。


Snoop DoggやWiz Khalifa、Cypress Hillといったアーティストたちは、大麻と共に生きるスタイルを全面に打ち出し、カルチャーそのものとして浸透させてきた。


その影響は、日本にも確実に波及している。しかし、日本では大麻は厳しく違法とされており、その扱い方には“覚悟”が必要だ。




日本における大麻使用罪とは?


日本では「大麻取締法」によって、所持・栽培・譲渡・譲受だけでなく、使用すること自体も犯罪とされている。



■ 使用罪の根拠



  • 大麻取締法 第24条の8

     > 大麻を、みだりに使用した者は、5年以下の懲役に処する。


つまり、大麻を持っていなくても、「使っただけ」で逮捕・起訴される可能性がある。

血液・尿検査によって使用が確認された場合も同様だ。


大麻使用で逮捕されるとどうなるか

  • 初犯でも最大5年以下の懲役が科される

  • 芸能・音楽活動への復帰は極めて困難に

  • 前科がつくと、アーティスト活動の継続・契約に大きな影響が出る

  • 海外渡航(特にアメリカ)にも支障が出る





それでも「大麻」をテーマにするアーティストたち


違法とされる中でも、大麻をテーマにした楽曲を発表するアーティストが存在する。

それは単なる嗜好の表現ではなく、社会への違和感や、自身の生き方をリリックに込めた「リアルな自己表現」でもある。





実在する日本の“マリファナ”系楽曲



1. 舐達麻 -「LIFE STASH」



リリック:「たかだか大麻 ガタガタぬかすな」

彼らのスタンスを真正面から表現している。



2. 舐達麻 -「100MILLIONS」



ライフスタイルを投影したMVで、大麻的な描写を含む。



3. ジャパニーズマゲニーズ -「Smoke Like Dipset」



タイトルからも明らかに、ストーナー文化へのリスペクトを込めた曲。



4. MASATAKA & 高樹沙耶 -「Legalize it」



医療大麻の合法化を訴えた社会派ラップ。





表現の自由と、責任の境界線


ヒップホップは“自由”と“自己表現”を本質とするカルチャーだ。

だが、日本で大麻を表現するには、法的リスクがつきまとう。


リリックで“Green”や“Smoke”を使っただけでも、SNSや映像を通じて警察にマークされるケースも増えている。

現実に起きた出来事として、帰国後の尿検査で使用が発覚して逮捕された事例もある。


だからこそ、大麻を扱うことは“スタイル”で済む話ではなく、表現としての覚悟と責任が問われるのだ。


ヒップホップにおける大麻は、単なる“薬物”ではなく、自由やリアルの象徴でもある。

しかし、日本においては、使うだけで罪になるという現実がある。


本場アメリカの影響を受けながらも、自国の法律や社会的立場を理解した上で、どう表現するか。

それが、今の日本のヒップホップアーティストに問われているテーマだ。



ヒップホップはなぜ“大麻”を語り続けるのか?


ヒップホップが誕生した1970年代後半のブロンクスでは、麻薬、警察暴力、貧困、暴動といった社会的抑圧が日常だった。

その中で「大麻」は、ただの娯楽ではなく、“抗う手段”であり、“癒し”であり、“仲間との共有体験”だった。


これは、日本でいう「居酒屋」や「タバコの喫煙所」が生むコミュニティと近い。

つまり、大麻を語ることは「どう生きてきたか」を語ることに近いのだ。





リリックは”ドラッグ賛美”ではなく”現実”の記録


「Smoke weed everyday」だけを切り取ると、ただの合法化プロモーションのように見えるかもしれない。

だが本質は、“何から逃げたいのか”“どうやって持ちこたえたか”という人生の記録だ。


多くのラッパーにとって、大麻は「成功の象徴」でもある。

かつて貧困や暴力から逃れる手段だったものが、いまは合法ビジネスとなり、自分たちの文化が収入源へと変わったという背景がある。


例えば、Jay-Zは合法大麻ブランドに投資し、Snoop Doggは“Leafs by Snoop”という自身のブランドを展開。

これは「大麻文化の出口戦略」ともいえる流れだ。





一方で、ヒップホップが批判される理由


日本では、大麻を語るヒップホップに対し「モラルがない」「若者に悪影響」といった批判も根強い。


だが忘れてはならないのは、**ヒップホップはそもそも“抑圧された人々の声”**だということ。

社会の表側では語られない「不快な現実」を、あえて“エンタメの中に残してきた”歴史がある。


大麻を語るラップがあったとして、それが違法行為を推奨しているのではなく、

その背景にある「格差」「精神的ストレス」「居場所のなさ」などを読み取れるかどうかが、リスナーに求められる視点だ。





法律と表現の間にある“グレーなリアル”


繰り返すが、日本では大麻は違法。使用していなくても、リリックやSNSの投稿から疑われることすらある。


それでも表現としての大麻描写をやめないアーティストたちは、「これは俺たちの現実だ」と語る。

これは「ドラッグを肯定したい」わけではなく、過去の自分や周囲の環境を嘘なく残したいという表現欲求の結果だ。





音楽は社会の鏡。だからリスナーにも“読み解く力”が要る

ヒップホップにおける「大麻」というモチーフは、

単なる合法・違法という二元論ではなく、

その背景にある文化、痛み、喜び、歴史、そして選択を知ることが大切だ。


ラップはいつもストレートに真実を語らない。

だからこそ、リスナーには“行間を読む力”が必要だ。


もしこの先、大麻が日本で合法化される未来があるとしても、

ヒップホップが語る「大麻」は、単なる植物ではなく、

カルチャーとしての重みを背負い続けるだろう。



あなたが感じた“リアル”を、ぜひシェアしてほしい。

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