広島発、“ダメージラップ”で差別に挑む——Damage Yakkun インタビュー
- MR.X
- 5月12日
- 読了時間: 2分

広島県呉市を拠点に、独自のスタイル「Damage Rap(ダメージラップ)」を掲げ、障がいと向き合うリアルなリリックを武器に活動するラッパー、Damage Yakkun。彼が音楽を通じて伝えたいのは、障がいがあることで受けた痛みや悔しさを、ヒップホップの力でポジティブなメッセージに変えること。
そんなDamage Yakkunに、最新作『障がい者割引』のリリースをきっかけに、彼の想い、音楽の背景、そして未来へのビジョンを聞いた。
名前に込めた“ダメージ”とは
— Damage Yakkun、ユニークなネーミングですね。由来を教えてください。
「僕自身、障がいを持っていて、ずっと悩んでいました。そのなかで、障がい=ネガティブじゃない、やんちゃでアクティブに動けるんだ、というメッセージを込めて『Damage Yakkun』という名前を付けました。ダメージを受けながらも、突き進む自分自身を表しています。」
ヒップホップで叫ぶ、本当の“割引”
— 最新作『障がい者割引』について教えてください。
「この曲は、僕が実際に経験した悔しい出来事がベースになっています。バスで障がい者割引を使っただけで、大人三人分請求されたり、若者に笑われたり、乗務員に『税金払え』って言われたり…。その時の感情を、30分でリリックを書いて、40分で録音しました。生々しい感情を、そのままヒップホップにぶつけた曲です。」
リアルとフローのバランス
— 曲作りのスタイルや、自分らしさについては?
「まずビートを聴いて、そのビートに合った言葉を紡ぎます。速いペースで作ることが多いです。歌詞は、リアルさを優先しつつ、あまりに露骨な表現は控えています。でも、伝えたい気持ちが強いときは、少し強めの口調にもなりますね。フローは、日本語ラップも海外も研究しながら、常に挑戦中です。」
Damage Rapで世界へ
— 今後の展望を教えてください。
「障がい者しかできない『Damage Rap』をもっと広めたい。障がいがあってもラップで世界に行けるって証明したい。音源ももっと出して、フローやリリックの幅も広げて、ヒップホップを通して差別を減らしたい。仕事とラップの両立も、ちゃんとできるラッパーになりたいです。」
リスナーへのメッセージ
「障がいがあっても、ラップで平等な未来を目指す。それが僕の音楽の核です。少しでも、この現実や悔しさ、そして希望を感じてくれたら嬉しいです。」
—
広島から、呉から、そして世界へ——Damage Yakkunの挑戦は始まったばかりだ。彼のダメージは、ヒップホップで輝きに変わる。

【最新作】
『障がい者割引』配信中
Comments